クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲
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広浦雅俊さんからおすすめされたので。てか、めっちゃこの映画を推してくる男性は多いのだけど、女性はまーーーったくピンとこないらしく(笑)、「あー」程度のリアクションなので、その違いが気になった。 まずは冒頭連打で繰り出されるセクハラ、ポリコレ違反の嵐。もうこの時点で「少なくとも2001年の日本の倫理観には戻りたくないな......」という気持ちにさせられる。
外国人ではなく「ガイジン」呼称を平気で使う、みさえのケツでかいネタすぐ使う、みさえにちょっとそういうポーズとらせたり、シチュエーションとらせたり、あとはパンツをのぞいたり、その手のいろいろが「子どもだから」で許されるわけでもないので。
ただ、映画の脚本自体はケチのつけようがないくらいよくできてる。
簡単に言うと、イエスタデイ・ワンスモアなる組織が、バーチャルでつくった20世紀の世界を「リアル」にするために起こす革命を、野原家一家が阻止する!というストーリーなのだが、ここの対比がわかりやすくできていて、決して小難しくはならない。メタバース この映画について「ふーん、あっそ」となる人は、おそらく「家族重視」のその価値観にはなしらんでいるのではないか。
ちょっとそこらへんがややこしくて、というのも、2001年の段階では、まだそこまで日本の凋落が本格化しておらず(今から思えばってことだが)、なのでサラリーマンで春日部にマイホーム持つくらいの「ささいな」生活、そんな生活はつまらない人生だと言われるが、でも、家族が一番だ!!というようなメッセージになっているため(これはあくまで一見そうなっている、ということだが。後述)そこの部分が「結局家族最高みたいな話か.....」ってなって、まあ、そういうの馬鹿馬鹿しいって思う人は「あっそ」ってなるんだろう。
ただ、この映画の本当にいいところは、家族向けの家族映画であるにも関わらず、家族の暴力性について触れているところだろう。
イエスタデイワンスモアのリーダー、ケンとその、おそらくはその内縁の妻チャコがなぜ「腐った21世紀を終わらせて20世紀に戻そう」とするのか。
一見すると3丁目の夕日的に「あの時代はよかった」的な動機のように思えるが、組織の他の人間や洗脳された大人たちは「3丁目」のようなライフスタイルになっていくのだが、ケンとチャコだけはそうした「和」「古きよき日本」ではなく、マッシュルームカットだったりミニスカートだったり、どちらかというとヒッピームーブメントなのだ。
最後、野望を野原一家に阻止されたケンは言う。「また家族に邪魔されたな」。野原ひろしのことを「つまらない人生だ」というケン。しかし、ひろしはこれに対して「家族がいる幸せをあんたたちにも分けてあげたいくらいだぜ」と言い返す。それを聞いてチャコが一気に表情を変え、ひろしを攻撃するよう組織に命令する。
「また家族に邪魔された」の「また」からは、ケンとチャコが以前、家族のせいでこのような境遇に落とされたことを示唆する。
家族向けの家族映画にもかかわらず、実は「あなたたち家族は、家族がまるでいいもののように、絶対的な正義のように思っているが、それは大変な暴力なのだ」とほのめかす。
ケンとチャコが住むアパートに来たときにみさえは二人に「結婚してるんですか?」と聞く。それがいかにおかしいことなのか。製作者はわかってこのセリフをあえて入れている。
最後にチャコがしんのすけに、あんなに腐った21世紀に生きて、大人になってどうするんだと詰め寄るとしんのすけがこう答える。
「大人になってお姉さんみたいなきれいなお姉さんといっぱいお付き合いしたいから!」
「父ちゃんみたいになりたいから」「結婚して家族を守りたいから」ではない。このセリフで、ケンもチャコも「うかばれる」。
しんのすけは野原一家という家族の象徴、そのコアでありながら、他方で「家族に縛られないあり方」=お姉さんみたいなきれいなお姉さんといっぱいお付き合いするとを両面併せ持つ。まさにトリックスターの役割を担っている。
意外に思うかもしれないが、クレヨンしんちゃんのこの作品、実は羅小黒戦記と結構構造が似てるのだ。肯定されない革命とそれを阻止する側と。 あとはアニメとして見た場合、中盤のチェイスが素晴らしかった。子どもたちが期待しrているものをきちんと見せるのは大事。
イエスタデイワンスモアは過去に時代を戻そうとする意味では保守だが、家族観では、家族に対する憎しみという点ではむしろ革新で(子どもは親と切り離し、独自の教育を施そうとする)、野原一家は21世紀を取り戻そうとする意味で革新なのだが、家族観としては保守中の保守。そういうねじれがある。
「当時はまだ外人さんが珍しくて」いや、2001年で「ガイジンさん」て。
早速、コンパニオンのガイジンのお姉さんに、お尻にサインしてもらおうとするしんのすけ コンパニオンをおっかけるしんのすけ
オープニング曲。ラップにクレイアニメーション。ちょっとだけ意欲的というか、カラー変えてる。b
怪獣が現れ「でかい!」「......みさえのケツ」。もう秒単位のセクハラ。 https://gyazo.com/299aedcd15e7992d8befdfbc23fd66e9
2段階のサスペンス。なぜ大阪万博にいるのか。実は撮影。しかし「なぜ撮影しているのか」という謎は置きっぱなしにしたまま戦いを見ることに。
ひろしvs怪獣の戦いを見る目を途中でギアチェンジさせてる。うまい。
育児はずっとみさえ、ひろしはウルトラマン、みさえはサリーちゃんとジェンダーがすごい。
ねねちゃんがホステス役......
未成年の飲酒、子どもへの「どこかいけもどってくるな」
「家族がいる幸せをあんたたちにも分けてあげたいくらいだぜ」このセリフを聞いて急にキレるチャコ。
エレベーターでのぼるケン。しんのすけは走って階段をのぼる
保守はどっちだ?っていう。
「大人になってお姉さんみたいなきれいなお姉さんといっぱいお付き合いしたいから!」(しんのすけ)
「また家族に邪魔された」(ケン )